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​研究紹介

都市における人と自然との関わり合い
 急速な都市化や娯楽の変化に伴い、私たちが自然と接する機会は減少の一途を辿っています。国立青少年教育振興機構が2010年に全国の小中高生を対象に行った調査によれば、山登りや昆虫採集、魚釣りなどの自然体験をしたことがない子供の割合が、10年間で大幅に増加していることが明らかとなっています。こうした自然と接する「経験の消失」(自然離れ)は、英国や米国、中国など多くの先進国でも報告されており、健康や文化、教育等の面から大きな社会問題として、また環境破壊に歯止めをかける上での根本的な障害のひとつとして認識されています(Soga & Gaston 2016の総説をご覧ください)。しかしながら、経験の消失が起きる背景やその長期的な影響等ははっきりと分かっていません。

 現在、私たちの研究室では、経験の消失が起きる原因やそれがもたらす負の影響を調べています。具体的には、環境社会学や公衆衛生学等の研究アプローチを用いて、経験の消失が人々の健康や福利、また環境保全意識に及ぼす影響を明らかにしています。また、それと同時に、経験の消失を防ぐために有効な方策を探っています。
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